今日は驚きすぎて、これだけ。まさかの新人賞受賞……

日記

えーーーーっと、近代日本美術協会展というものに応募して、なんと、新人賞を受賞したそうです。

 

うちの母が。

 

名前が掲載されています)(名前は内緒です←)

 

 

私より先に、新人賞と名のつくものを60代の母が獲っただとううぅ……
授賞式で東京来るってさ。

 

ちなみに美大はおろか、高校しか出ていないし絵は一度も習ったことすらない人です。
その人が、2点応募して、2つとも受賞したとか(新人賞1点、入賞1点)
道理で、私絵がからっきしなわけですよ。全部母親に残ったんだな絶対そうだ。

※ちなみに、ネタのような話だが、うちの母親は激烈音痴。オケに対して全部半音下げで歌うという、ある種器用なことをやってのけるぞ

 

なにやら、たまたまその募集を見かけて「応募しようかな」と思ってそのまま忘れていて、
応募締め切りの3日前にその用紙が出て来て「なにこれ」となり、思い出して送ったそうだ。
(行動が、、、ああぁ私かな、、、orz)

 

 

入賞した絵は弟の幼い頃の絵。そして、新人賞を受賞したのは、「海の絵」だと言っていた。
あぁ、あれだ、とすぐわかった。昔描いたものだ。
亡くなった父と、2歳くらいの私が波打ち際にいて、夕日を照り返す海からの逆光でシルエットになって表情は見えないが、何かを話しているのがわかる。
そして、後ろ姿だから写っていないが、しゃがんだ父の腕には赤子の弟が抱かれているのもちゃんと「描かれている」。だから、これは父と私と弟の、3人が描かれた絵だ。
元の写真も残っている。

私には絵の才能が全くなくて、美術館に行ったりする習慣もないから、正直、こういうものの良し悪しはわからないと思っていたのだけど、今日、そう偶然にも今日、別の人の描いた絵の話と友人としていて、
なんか違うんだよね、なにが違うんだろう、あぁそうだ、色や形の正確さだけが求められていて、動物を描いているのにモノを描いているみたいなんだ、動物を愛でるひとは自然に、毛並みを愛でるものだと思うけど、この人の絵は写実的にもかかわらず毛流れが感じられなくて、なんとなく、「愛でる」気持ちが伝わってこない。……というようなことを言ったばかりだった。
自分でも、「絵」に対してこんな見方をすることがあるんだなと驚いたのだけど、そこに、受賞の知らせがきて、昔の絵を思い出して、ああなるほど、全く描けなかった(描かなかった)けど、いい作品には囲まれていたのかもしれない、とも思った。

 

あの人、絵は、めちゃくちゃいいんだわ。

 

デッサンに狂いがないとか、本物みたいとか、そういう正確さのことではない。
たしか、中学の美術だかの授業でも、いくつかの人物画や静物画の例を見ながら「絵画は必ずしも現実のものと同じに描かれているのではなく、ときにはわざと歪みを出したり空間を膨らませたように描いたりして、その対象物の存在感、あるいはその時の作者の感情を表現している」と教わって、へえぇ、となったものだけど、まさにそういうことなのだと思う。
たとえば彼女の描く肌は、まるで肌理のひとつひとつを置くようにして色と流れが作られている。そこには、赤や、黄色や、時には青といった色がこまかに組み合わされているのに、ふしぎにちゃんと肌色の質感と、なんともいえない艶を生み出す。(今思えば、これは化粧品でいうところの、「コントロールカラー」を4〜5色組み合わせたタイプのルーセントパウダー?と同じ原理なのだと思う)

「ものの色ってな、じーーっと見てたらひとつの色じゃなくて、いろーんな色があんねん。それをそのまま描けばええんや」

こともなげにそう話していたのを思い出す。どんだけ細かいレベルで見てるん、と思うが、ちなみにだが母は中学生くらいからずっと近眼で、目はいいとは言えない。
にもかかわらず、どんなものもそうやって色を作って、できあがってみるとちゃんとそのように見える絵になっている。

 

でもそれよりも、特筆すべきはそこに透けて見えるパッションだったり憧憬だったり、驚きにも似た喜びだったり、の方だろう。
それを愛とは敢えて呼ばないけれど、写実絵なのに、瞬間に込められたものの熱量がものすごいのだ。
大抵はもとの写真があって、それを見ながらゆっくり時間をかけて描いたものが多い。だけど、これらの絵を「トレースだね」という人はいないであろう。

 

海の絵の、あの元の写真よりもずっと強くまぶしく訴えかけてくる海の照り返し、その光の粒のひとつひとつに、彼女が何を込めようとしていたのか、よくよく解る。
元の写真を見たところで、そこまでのものは感じないのに。子供心に「絵の方が好きだな」と思っていた覚えがある。

そうだな、もしその瞬間を(芸術の担うところの)「愛」と呼ぶかという問いがあるなら、私はそれを肯定するのかもしれない。

 

11/18(日)〜11/24(土)の一週間、上野にある東京都美術館にて展覧会が開かれるそうである。
んーーさすがに、これは一応観に行こうかな、と思っている。笑

コメント

  1. […] こちらの記事で紹介させていただいたとおり、母が新人賞を受賞したという絵の展覧会が明日から開かれるそうです。 […]

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